睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病

まえがき

 睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、糖尿病、心臓病、脳血管疾患などと密接に関連することが知られています。睡眠時無呼吸を有する患者さんは、一般人口と比較して、高血圧が約2倍、虚血性心疾患が約3倍、脳血管疾患が3〜5倍の頻度で合併すると報告されています。睡眠時無呼吸症候群と心血管疾患が関連する理由は、繰り返す低酸素状態、交感神経の活性化による悪影響、血管内皮のダメージ、肥満に伴う冠危険因子(高血圧・高脂血症・糖尿病など)の増加などが挙げられています。睡眠時無呼吸症候群の治療が心血管疾患自体の予防・治療につながると考えられています。