睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病

 動脈硬化とは、血管の壁が硬く変化するとともに、血管壁にコレステロールなどが蓄積し壁が厚くなり血管の流れが悪くなる状態をいいます。動脈硬化により血流が悪くなると、そこから先への酸素や栄養が届かなくなり、細胞の酸素不足がおこります。この状態が心臓でおこると狭心症・心筋梗塞、脳でおこると脳梗塞になります。動脈硬化は、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病により悪化します。
 高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病とよばれる疾患が重なると、動脈硬化による心血管疾患(狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など)の発症率が高くなることが知られています。しかも、それぞれの疾患の程度が軽症であったり、予備軍であったとしても、複数の因子を持っていると動脈硬化が進行しやすいことがわかっています。また、生活習慣病の発症・進行には、内臓のまわりに脂肪が溜まる内臓脂肪蓄積が強く関係すると考えられています。内臓脂肪の蓄積により、高血圧、脂質代謝異常、糖代謝異常が集積した状態をメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といいます。日本内科学会など8学会の委員で構成されたメタボリックシンドローム診断基準検討委員会は、2005年4月に開催された日本内科学会総会において、「メタボリックシンドロームの診断基準」を発表しました。この診断基準が欧米の診断基準と大きく異なる点は、内臓脂肪の蓄積がメタボリックシンドロームの本体であることを明確にしている点です。メタボリックシンドロームの人は、そうでない人と比べて10年後の虚血性心疾患の危険度が36倍も高くなることがわかっています。
 メタボリックシンドロームの診断基準を見てみましょう。内臓脂肪の蓄積はウエスト径で判断し、男性は85cm以上、女性は90cm以上を基準値としています。この値は、CTスキャンでおへその高さの内臓脂肪を測定したところ、断面積100cm2に相当します。なぜ100cm2かというと内臓脂肪面積が100cm2超えると、高血圧、高脂血症、糖尿病などの罹患率が高くなることに由来します。

【図】生活習慣病/メタボリックシンドロームとは